弥生時代の大集落
愛媛大学決定
文京遺跡一部保存へ
祭祀跡周辺7000平方メートル
学生・市民の憩いの場に
愛媛大学工学部1号館西側にある文京遺跡の大集落跡。
その上側が保存されるグリーンゾーンの一部。遺跡は現在埋め戻されている。
弥生時代中期後葉から後期初頭の都市機能を持つ大集落跡が見つかった愛媛大学キャンパス(松山市
文京町)内にある文京遺跡の一部保存を、同大学が決め、松山市と日本考古学協会に回答していたことが
6日までに分かった。保存が決まったのは、集落遺跡の一部があると見られる本部グラウンドの南半分と、
祭祀(さいし)などが行われたとされる中核施設跡がある法文学部本館西側の駐車場周辺合わせて約七千
平方メートル。
同大の回答は
「文京遺跡の重要性考慮して、グリーンゾーンの範囲決定し、遺跡の現状保存・保
護を図り、学生・市民の憩いの広場として活用する計画を進めることにした」
との内容。それぞれ十
月中に文書で送付された。
松山市文化財専門委員会(景浦勉委員長)と同協会の埋蔵文化財保護対策委員会(矢島国雄委員長)
はそれぞれ昨年六月と今年九月、同大に文京遺跡の保存・保護を求める要望書を提出。同大は昨年の将
来計画委員会で、遺跡の保存問題を含めた施設整備の検討を決定。学内の埋蔵文化財調査委員会と施
設整備委員会とで協議を進めていた。
愛媛大学の埋文調査委と施設整備委の委員長を務める鮎川恭三学長(六五)は、
「貴重な文化財を大
事にすること、狭いキャンパスで施設を確保することの狭間で苦慮してきた。グリーンゾーンとして
遺構を保存すれば、学生が憩う広場もできると考えた。」
と保存決定の理由を説明する。
グリーンゾーンを具体的にどう整備するかについては
「施設部や埋文調査室など、現場の担当に任せ
ていく。必要によっては、学生も意見を出すだろう」
と話している。
松山市文化財専門委の委員、長井数秋さんは
「愛大としては相当の英断だ。考古学は日進月歩。
将来、より科学的な方法が出てくる。遺跡の現状保存が最上の方法だ。」
と評価。
同協会埋文保護対策委の矢島委員長も
「多くの遺跡が発掘と同時に開発されることを考えると、愛
大の決断は評価できる。グリーンゾーンは最終的に史跡公園として整備されることが望ましい。今
後の遺跡保存に大きな影響を与えるだろう。」
と歓迎している。